こんにちは、どうも御無沙汰しております佐久間です。
留学生活もいよいよ終盤にさしかかって、残すところあと1か月となったわけですが、毎日を忙しく充実して過ごしています。
先日、俺がこっちに来てからよりかねて取り組んでいた合唱団のコンサートがあって、無事に幕を閉じました。アイルランドがテーマのコンサートで、フランスにいながら歌った曲は英語でしたが、素晴らしい人たちに囲まれてよいひと時を過ごしたこの9か月間の日々を思い起こしながら、2時間、夢のようなひと時を過ごしました。
正直このコンサート、途中何度か失敗があったり、日本人の感覚から行くといまいち完成度の高いコンサートとは言えませんでした。
それでもこのコンサートは「大成功」でした。ここにフランス人の「生き方」を見いだせます。
その晩、俺たちは歌を楽しみ、観客もそのコンサートで何かをうけとりました。
ここフランスでは音楽の完成度よりもその音楽の場にある何かを大切にします。それが何かは俺には今一なんといっていいかは分かりません。でもだから合唱団の距離も、観客との距離もぐっと近い。なによりその場に流れる荒削りな音楽に人の心と「生」を感じました。
フランス人は、目標達成の為に苦しむというのをあまり好みません。目標を達成する過程をも楽しみます。視点を変えれば苦しまなくてはいけないほどの高い目標は設定しないという事です。
当初「つらい努力を乗り越えた先にこそ成功のすがすがしさがあるんだ」という考えを持っていた自分にとって、最初この考えは受け入れがたいものでした。でも、こうして9か月も過ごすと、今というひと時を楽しんでいるフランス人たちの生き方の魅力的で、かっこいいことにはっとさせられました。
俺は辛い努力の過程に得るもの、またそれによって得る成功のすがすがしさを大切にする日本人的な感覚が大好きです。
同時に、その時その瞬間を楽しんで豊かにすることを大切にするフランス人的な感覚も大好きです。
二つの異なる考えは、お互いの盲点を補ってくれるんです。
来週はいよいよ2週間のビッグ・トリップに出発します。それがこの留学最後の大きなイベントです。楽しんできたいと思います。
次回の便りで最後になると思います。 では、今回はこの辺で!
佐久間
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