地震は怖い、もっと怖いのは無知識・無防備だ。
その時あなたの命は守れますか。
あなたを助けてくれるのはだれですか。
忘れていませんか?日本は地震大国ですよ。日本で暮らす限り地震から逃れることはできません。
対策することは日本に住むための心構え、マナーです。
★地震とは:岩盤が破壊する現象
★断層とは:岩盤の中にある割れ目のこと。別の岩盤同士の境が滑るのも断層の一つだ。
★活断層とは:地表に現れている過去の地震のキズあとのこと。約170年前〜現在(第四紀)に繰り返し地震を起こし活動し、今後も地震を起こす可能性のある断層。
★プレートとは:厚さ70〜150kmもある硬い岩盤の板。地球上には10数枚あり、これをジグゾーパズルのように合わせると形が合うのが分かります。
★震度とは:地表のその場所で感じた「ゆれ」・強さを表す単位
地盤や建物の構造などによって、その人が感じる揺れの大きさは異なります。また、人々の心理状態によっても、感じる揺れの大きさは変わってくるものです。 この単位は各国で異なり、日本の場合は、気象庁で震度段階を0〜7の10段階にわけたものが使われています。
震度階級
5弱 |
多くの人が身の安全を図ろうとする。棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。窓ガラスが割れて落ちることがある。 |
5強 |
非常な恐怖を感じる。テレビが台から落ちることがあり、家具が倒れることがある。補強されていないブロック塀の多くが崩れ、一部の自動販売機が倒れることがある。 |
6弱 |
かなりの建物で壁のタイルや窓ガラスが破損落下する。耐震性の低い木造建物では倒壊するものもあり、耐震性の低い鉄筋コンクリート造の建物でも壁や柱が破損する。 |
6強 |
固定のない家具のほとんどが移動、転倒する。多くの建物で壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。耐震性の低い鉄筋コンクリート造の建物では倒壊するものがある。 |
7 |
ほとんどの家具が大きく移動したり、転倒する。耐震性の高い建物でも、傾いたり、大きく破損するものがある。広い地域で電気、ガス、水道の供給が停止する。 |
★マグニチュード(M)とは:
地震の規模・エネルギーをあらわす
震度は一つの地震の場合でも観測する場所ごとに異なりますが、マグニチュードは一つの地震に対して一つしか決まりません。マグニチュードが1大きくなると、震源からの距離が同じでも最大振幅は10倍に、その地震のエネルギーは約32倍になります。
M6:1倍、M7:約32倍、M8:1024倍、M9:約32768倍
★原発震災とは:大地震によって原子力発電所(原発)が大事故を起こして、大量の放射性物質を外部に撒き散らし、通常の地震災害と大規模な放射能災害とが複合・増幅しあう人類未体験の破壊的災害のことです。
地震発生のメカニズム ★内陸型地震(直下型)
活断層が動いた時に発生する地震です。地表に近いため、激しい揺れを伴います。また、直下で発生するため、前ぶれがなくいきなり大きく揺れるのが特徴です。新潟県中越地震、兵庫県南部地震などがこれに該当します。
★プレート境界型地震(海溝型地震)
地球表面でのプレート(岩盤)同士がぶつかる境界で、一方のプレートが他方のプレートを引きずり込み、元に戻ろうとして反発し、はね返った時に発生する地震です。日本列島は4つのプレート上に位置しています。
津波は猛スピードで来襲します
津波は、海が深いほど速く伝わる性質があり、水深が浅くなるほど速度が遅くなるため、津波が陸地に近づくにつれて後から来る波が前の津波に追いつき、津波の高さが高くなります。津波の速度は海岸付近でオリンピック短距離の選手並みです。津波が見えてから避難をはじめても間に合いません。
水深5000mでは時速800km、水深500m→時速250km、水深100m→時速110km、水深10m→秒速10m
津波は繰り返し来襲します
津波は、長い場合は1日以上にもわたって何度も繰り返して来襲します。また、第1波よりも、その後繰り返してやってくる波の方が高くなることがあります。気象庁が発表する情報で、津波の高さが低かったとしても、その後、さらに高い波がやってくるかもしれません。津波情報・注意報が解除されるまでは、海岸に近づかないようにしましょう。
津波は膨大なエネルギーを持っています
普通の波は、海の表面近くの海水が動くだけですが、津波の場合は、海の表面から何千mもの深い海底までの海水すべてが動いて伝わってきます。また、波長がとても長く、数kmから数十km、あるいはそれ以上に及ぶこともあります。津波が数分〜数十分もかけて、すさまじい破壊力とともに陸上に流れ込み、引いていくのはそのためです。
引き波から始まるとは限りません
津波で最初に海が引くとは限りません。海岸付近で強い揺れを感じたら、海を観察せずに、すぐに避難を始めましょう。
東日本大震災岩手県の記録(平成24年3月13日 釜石観光ボランティアガイド会 岩手日報の取材記録より:工藤)
東日本大震災から1年が経過、追悼企画「忘れない」取材で、被災状況を調査した。
・岩手県内の死者数(平成24年3月12日現在) 死者4,671人 行方不明者1,249人 合計5,920人
平成26年3月10日現在 死者15,884人 行方不明者2,633人 合計18,517人 ●津波に巻き込まれた状況
@逃げなかった→40.0%(男女50%) 内70歳以上が58% A避難途中→19.5%(女子54%)
B学校や施設に避難して→7.9%(女子67%) 内60歳以上が60% C寝たきりで逃げられない→7.8%(女子64%) 内70歳以上が90% D自宅などに戻った→5.9%(女子56%)
E水門や避難誘導中→5.6%(男子85%)消防団、市町村職員、警察官など F帰宅途中→3.9% G家族や知人を助けに→3.5%(男子60%) H船や津波を見に行った→3.0%(男子91%)
Iその他→2.8% ●津波に巻き込まれた場所
@自宅など→44.9%(女子53%) A路上など→19.3%(男子54%)
B避難場所などの避難先→9.5%(女子65%) C車の中→9.1%(男子56%)
D職場など→8.5%(男子65%) E海の近く→4.3%(男子94%)
F福祉施設や病院→3.9%(女子73%) Gスーパーなど→0.6% ●年齢別
@80代→24.5% A70代→24.9% B60代→18.5%
C50代→11.9% D40代→ 8.2% E30代→ 5.8%
F20代→ 3.5% G10代→ 1.5% H10歳以下→1.3%
70歳以上が49%である。60歳以上では68%である。 ●今回亡くなった方は、次の3つに分けられる
@避難にハンディがある人(10%) A責を全うした施設職員や消防、避難誘導に当たった人(10%)
B物を取りに戻った(10%)、逃げ遅れた人(30%)、逃げなかった人(40%)である。
岩手県内の犠牲者は5,920名(平成24年3月)でその内訳概要は次の通りである。
1.今回も大丈夫と避難しなかった
・避難しようと話していたが、前の津波は床下であったので今回も大丈夫といった非難せずに被災し、亡くなった。
・以前より大きな津波な来ないと自己判断して自宅から逃げず、夫婦で津波に呑みこまれた。
・自宅で亡くなった方は、45%と非常に多い。
2.寝たきりなどで逃げられなかった
・自宅で寝たきりや福祉施設に入所していた高齢者ら、逃げられなかったとみられる人は7.8%で、海に近い福祉施設や病院などでは、多くの利用者や患者を津波来襲までに避難させることができず、多くの犠牲者になった。
3.避難中、救助に向かい悲劇
・徒歩や自転車で避難している最中に津波に巻き込まれたとみられる人は、19.5%、中には住民を助けながら避難している最中に波にのまれた人もいる。
4.地域の世話役
・一度は高台に親子、孫と愛犬を連れて避難した。だが一人でも多くの市民を助けようとして再び低地に戻った。自宅付近の高齢世帯に避難を呼びかけ、高齢者を車に乗せて津波にのまれ、一緒に帰らぬ人となった。
・職務を成し遂げた消防団員や消防士、市町村職員、警察官や若い世代が犠牲になった。
・地域住民や高齢者へ非難を呼びかけて逃げ遅れた行政区長や民生委員らがいる。
この人たちは、岩手県での犠牲者の5.6%である。
5.指定施設で犠牲 ・学校や公的施設などに避難後、津波にのまれたとみられる人は、犠牲者の8%近い。
・陸前高田市民体育館は避難所に指定されていた。津波は3階建ての同会館を上回る高さで襲い、避難した住民や市職員が数多く犠牲になった。(死者80名、生存3名)
6.一度は高台に、戻って被災
・強い揺れの直後、約500m離れた薬師公園に避難。何度も訓練し、頭に叩き込んであった避難場所。行動は早かった。一緒に暮らし、近所の保育園に通う孫も他の園児、保育士らと共に集まっていた。長女も駆けつけ一度は家族の無事を確かめ合った。保育園では昼食の時間帯。薄着にジャンパーを羽織った姿で避難した孫を見たお婆さんは「防寒具を取りに家に行く」と保育士へ伝え長女、孫とともに自宅に戻り、着替えて避難途中の車でそれきり帰ってこなかった。
・速い段階で避難したが、避難所に避難者が少ないし、時間的な余裕を感じ自宅に戻って被災した。
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